前編に引き続き、ミクレニティにて活躍中でPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)を経験しているメンバーに、PMOとは何か?PMOの役割や役にたった実務経験など、現場でしか聞けないようなことを対談形式で聞いていきましたので公開いたします。
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Y.Sさん:はい、資格としては、PMPやITILが有名で重宝されると思います。自分はあまり資格を重要視していないのですが、知識の幅を広げるという意味で言えば、もちろん資格はかなり有意義だとは思いますし、共通知識はあるに越したことはないと思います。
K.Sさん:ん〜私もPMOと言いつつ、仕事柄、何でも屋の側面が大きかったので、実はこれ!と言うものは無いのですが、経験上、プロジェクトの進め方や管理方法の理解があると良いと感じた事は多々ありましたので、以下2つのどちらかは持っておくと強みになると思います。
・PMO系の資格 ⇒ PMOスペシャリスト
・プロジェクトマネジメント系の資格 ⇒ PMO/PMBOK
PMOスペシャリストは、PMOとはなんぞや?という事を体系的に学べると思うので、PMOの入口としてちょうど良いと思います。
あとは、PMOが支えるのってやっぱり基本的にはPM、プロジェクトマネージャを支えてプロジェクトを成功に導くという仕事になるので、PMPとかPMBOKっていうプロジェクトマネジメントの資格っていうのは、とっても有用なんじゃないかなと思います。
あとは付帯するそのプロジェクトだったり、自分の歩きたい道の方向に合わせた資格を取得する。
インフラ系とか開発系とかITでも色々あるじゃないですか。 開発でもね、基幹系だったり、ウェブアプリ系だったり、ゲーム系だったり色々あると思うので、それに合わせた資格を取得しておくことが有用だと思います。
Y.Sさん:役立った経験で言うとなんですかね、、当然ですが、そのシステムのプロジェクトをやっているわけなので、そのシステムの経験はあった方がいいと思います。
あと、PMO単品で見た時で言うと、やっぱりコミュニケーション能力は絶対ついて回ってくると思います。
そこに対してなんかいい経験ってなんだろうな。。自分ではコミュニケーション能力はそんなに高い方ではないと思っているので、どんな経験があってできるようになったかとか、そこはちょっとK.Sさんに聞いてみたい!
K.Sさん:いや、私も人見知りなんですよ、元々は。なので、ちゃんとできるようにちょっと頑張った経緯はあります。
そうですね、私はまずコールセンターでの電話サポート。電話だけで全て相手の状況を聞き取って答えなきゃいけない。それがまずスタートラインとしてものすごく良い経験になってるっていうのが1つと、あとは色んなクレームを対応した経験もあるので、これも役に立ってると思います。
そして、ネゴシエーションや提案営業とかもやってた経験があるんで、ネガティブ要素も伝えなければいけない、そういう力もPMOには必要だったりするので、この3つの経験が大きく役に立ったかなと思います。
K.Sさん:企業や組織によって「PMO」という役割の「定義」と言いますか、内容が異なる事が多く、前述の定義の枠に当てはまらない事が多いです。
これ自体悪いことでは無く、むしろPMOの腕の見せ所かと感じます。
プロジェクトでは多くの方が関わりますが、役割が決まるとその隙間・狭間に落ちる課題だったり、役割を横断して解決する必要がある課題は見過ごされがちです。
そういう課題が出ると、「これってPMOだよね!」と言うキーワードと共にアサインされる事があり、PMOが役割・チームを横断して課題解決の調整を行ったり、時には課題解決の担当として振舞ったりします。
この部分は、PMOの知識だけで無く関わっているプロジェクトの先にあるユーザー業務の理解であったり、システムが実現するサービスやビジネス、そしてITの知識など多岐に渡った知識が必要となる場合があり、知見の無い事も多々あるため、難しい部分でありながら、PMO個々が持っている得意分野が生きる場面でもあると思います。
Y.Sさん:難しい課題というか、何度か経験があるのが、やはり新しいプロジェクト管理プロセスや方法の導入に対する拒絶反応でしょうか。
そうした場合、まずは理解のある組織から小さく始めてメリットを分かってもらい、横に波及させていくことでスムーズに導入できるようにしています。
K.Sさん:そうですね、同じく、あんまり慣れてないツール入れたりとか、新しいやり方とかを導入するときは、新しいものに対して免疫あるからちゃんとやってくれそうだなっていうチームから始めて、そこからうまく広げていったりとかしています。
K.Sさん:はい、大きくまとめると次の3つになると思います。
1、基本的なPMOのスキル(プロジェクトの管理や推進するための手法)
2、課題解決力(課題・問題を整理し解決案を出し、解決へ導く力)
3、コミュニケーション力とフットワークの軽さと幅広いIT知識(用語が分からないと議事録も書けないので)
そして、何よりポジティブシンキング!と言ったところでしょうか。
プロジェクトは往々にして決めた通りに進むことは無く、いろんな課題や問題が起こります。その際に、なんとかする!なんとかなる!と言う考え方・意思で取り組める方が必要ですし、プロジェクトの関係者に幅広く接するPMOがその様な姿勢でいれば、おのずとプロジェクト全体にも伝播していくと感じています。
Y.Sさん:私がPMOの素養として必要かなって思ってるのは、誰よりもプロジェクトをこう、俯瞰で見る事。
やっぱりPM(プロジェクトマネージャ)やPL(プロジェクトリーダ)よりも、ある意味もっと必要な時は視点を上げて見ていかなきゃいけない場面もあるかなと思っていて。
よく言われることですが、「鳥の目、虫の目、魚の目」を意識して使うことです。
特に1つ1つのタスクや課題を追いかけているうちに近視眼的になりがちなので、俯瞰で見たり長い時間軸で見たりして、自分が一番プロジェクト全体を見えていると思えるようにすることが必要だと思います。
みんなが気づきにくいところ。さっきK.Sさんの雑談の中でもありましたけど、誰も目が届いてない部分とかに光を当てたりとか、気づきやきっかけを与えたり、時には自分でそこを拾ったりしていくのがPMOに必要なことかなと思います。
K.Sさん:そうですね、私の場合は純粋なPMOと言えるかというのもありますが(笑)、でも、自分が辿ってきた道などが参考になれば、ぜひ参考にしてもらいたいです。
PMOの今後ですが、従来PM/PMOはSierや開発会社などITを専門とする会社や、各企業のIT部門を支援する事が多くあります。国自体の取り組みとしてDX化が推進される事によって、この部分は今後も変わらずニーズは高まっていくと思っています。
変化としては、どんな業種の企業でも、DX化の言葉の元にITにタッチしていくと、ITを知らない組織を支援する機会も増えるのではないかと予想しています。
また、現時点では体力のある大企業が先んじてDX化に着手していますが、近い将来、DX化しないと生き残れない事から中小企業のITニーズもさらに高まっていった場合を考えると、PM/PMOはさらに「隙間を埋める何でも屋」の側面が強くなる気がしています。
K.Sさん:はい、そうなると、PM/PMOに求められる知識・経験も多岐に渡ってくる事になりますが、正直、全てのIT領域の知見を有する人になるのは難しいと思いますので、インフラ面だったり開発面だったり、何か得意とする領域を経た上でPM/PMOへステップアップすると良いのでは無いでしょうか。
また、先ほど言った通り、コミュニケーション能力は必要となりますので、会議や他部署との調整であったり、営業部と提案活動に参加したりなど、積極的に参加して同時にこのスキルも身につけると良いと思います。
Y.Sさん:そうですね、組織横断のDXや働き方の多様化により、全体を把握して管理・最適化を担う役割は大きくなると思います。
色んな立ち位置の方、色んな業界のIT知ってる人、知らない人。その辺を全体的にピッと見て、こういう風にやってきましょうよとルールを立てて管理していく。そういう意味で言うと、今までよりもPMOの役割って必要かつ重要な部分になってくるのかなと思っています。
それを踏まえた上で、新しい管理手法にアンテナを張りながら、人間にしかできない思考プロセスやコミュニケーション手法などの非認知能力を意識して磨いておくといいのではないでしょうか。
みなさま、本日はお忙しいなか、お話を聞かせていただきましてありがとうございました!
今回の現役メンバーにお話を伺って感じたことは、お二人ともコミュニケーション能力が高いなぁと感じました。
それは会話をする上手く喋る、という事だけに限らず、進行役が上手にお伝えする事ができない質問であっても、うまく言葉を拾って、解釈してくれて分かりやすく伝えてくれようとする所だったりもしました。
そういう見えない部分を拾って補完するという能力。こういった能力もよりPMOに必要とされるのかなと思い、今回は色々気付かされる対談インタビューとなりました。
こういったミクレニティのメンバーが活躍しているお仕事やその知識・経験を共有して、皆様のお役に立てるとしたら嬉しいです。そして、スタッフ一同、今後ももっと努力・精進していこうと考えております。
編集:ミクミク広報・PRチーム
執筆:UK