プロジェクトのリプランと再編でユーザー×情シス×ベンダーの三位一体を実現
・発注先との発注書等書類授受をメールや紙で行っていたことにより書類の一元管理ができない課題があった。(電帳法対応が不完全)
・当初のプロジェクト推進方針がクライアントのニーズに合わなかった。
・現場ユーザとのコミュニケーション不足により次期システムに求められている本質が明確になっていなかった。
・電帳法について理解し、また昨今のコンプライアンス強化の経緯を把握したうえでシステム化方針の検討。
・現行基幹システムの有識者としてAs-IsとTo-Be整理を徹底し、次期基幹システムのビジョンを明確にすることが必要だった。
・統括PMチームによるプロジェクトリプランのハードルが高く、既に走り出しているプロジェクトへの適用には更なる工夫が必要だった。
・情シス側のシステム的観点だけでなく、現場ユーザ側の業務的観点における課題を把握。
・当プロジェクトの重要課題である電帳法対応について有識者からのスキトラを実施。
・現場ユーザのヒアリング結果からAs-Isを再整理、および各課題に対する対応案を検討し論点整理を行った。
・プロジェクトリプランによる新方式から適用可能なメソッドを選択し順次取り入れプロジェクトに少しずつ馴染ませるようドライブした。
・現場キーマンとの定例会を設け、定例に持ち込む論点を事前に内部レビューし発散しない打合せを意識した準備に力をいれた。
・法的観点、現場ユーザ観点における課題明確化の徹底により、最適な対応方針の策定ができシステム化による効果が見込める結果を導き出せた。
・プロジェクトリプランによる立て直しが成功し、クライアントから評価を得ることができた。
・事前の論点整理が功を奏し現場ユーザとの定例会をスムーズに進めることができ、現場ユーザから当システム化への期待と信頼を得ることができた。
プロジェクトリプランによる苦悩と達成
当初のプロジェクト推進に見直しがかかり、リプランと再編を繰り返した。
この取り組みは既に設計フェーズまで進んでいる当プロジェクトにとっては非常にハードルが高く、構想の見直しによるスコープ変更、新たなプロジェクト計画・管理をどう適用していくかを悩む日が続いた。
それでも先ずはできることから着手適用し、並行してこれまでの設計の手戻りを最小限に抑えながら無駄なく活かす工夫をしたところ徐々に順応していった。
気づけばリプランがかかってから半年ほど経過していたが舵取りに成功し大きな達成感を感じるとともに貴重な経験であったこと、自身としても今後の活用手段の一つして大きな収穫だったといえる。
現場ユーザ、ベンダー、情シス3者の溝がなくなりONE Teamに
一方で現場ユーザが次期基幹システムに求めるものと情シスが進める改善ポイントにズレがあり、またベンダーからの提案が要求に対して不十分であったりと3者間の認識が曖昧になっている課題があった。
この課題を解決すべく3者間の意思疎通を図るため密な関係構築を目指すに至った。
現場ユーザとのコミュニケーションは窓口となるチームを編成し、週次定例に向け内部での論点整理と論点コミットのための資料作成方針を徹底した。またベンダー側メンバーを情シス側チーム内に配置し一体化することでコミュニケーション活性化を図り、要件や仕様の認識齟齬をなくした。
またこの一体化が功を奏してリーダー層によるマネジメントトップダウンと現行システムに詳しいベンダー側有識者のノウハウによるボトムアップがうまく噛み合い後続の製造~テストフェーズでリスクとなりうる課題を早々に検出、解消することができた。
走り出したプロジェクトの大きな方針転換はリスクであり過去に成功の経験はなかったが、今回のプロジェクトではまだ評価できる段階ではないものの成功のカギを掴みつつあるように感じている。